なぜスーパーはネガティブなイメージを持たれる職種なんでしょうか。
会社説明会を見る限り悪くない気もするんだけどなー。
次のような方に向けた記事です。
- 就職先をスーパーにしようと思っているがネガティブな意見が多くて不安
- スーパーの働き方や社会的な評価が知りたい
そして、この記事を読むと
- なぜ社会的評価が低いと言われるかが分かる
- 実際の働き方が知れる
- スーパーで働くメリット、デメリットが知れる
【本記事の信頼性】
スーパーで残業を月間40時間から月間4時間まで減らした実績を持つ「時短・効率化」に命をかける「プロのめんどくさがり」です(笑)
スーパーで6年働き、現在は人事として採用の経験を持つアスナニさんが「実体験」と「他職種と比較した意見」をご紹介していきます。
スーパーの正社員は、社会的評価が低いと言われるのはなぜ?
一般的に人気職種にスーパーの正社員が入ることはありません。
さらに検索上位には次のようなネガティブなワードが並んでいます。
「スーパー 正社員 恥ずかしい」
「スーパー 正社員 底辺」
スーパーの正社員の社会的評価が低いと言われるのかの理由をご紹介していきます。
そもそも日本人は販売・接客業を特殊な目で見ている傾向
日本人の接客に対する概念は外国と比べるとかなり特殊です。
<アジア・欧米含めた外国の接客>
もちろん感じのいい接客をしてくれる方もたくさんいますよ。
<日本の接客>
SNSを使用した個人の情報発信力が向上したことにより、仕事やサービスに求めるものは対価以上なのに、少しでも粗があれば責められる(一部の過剰な責め方が拡散されてしまう)という現状があることを多くの人が知っています。
仕事やサービスに完璧を求めすぎじゃない?
ということをわかっているけど、それが当たり前になっているので、自分もお客さんの立場になると対価以上のことを求めてしまいます。
ですので、スーパーの正社員はかわいそうな仕事だ=社会的評価が低いみたいな雰囲気になっているのです。
いつも人手不足で誰でもできるイメージがある
販売職は有効求人倍率が高い=誰でもできるイメージがあると思います。
データからわかるように、2019年の全職種の有効求人倍率1.45倍に比べ、商品販売の職業は2.58倍と高いことが見てとれます。つまり平均よりも人を求めている職種=人手不足というイメージです。
ちなみに新型コロナウイルスの影響でアパレルや百貨店などの販売職の求人は落ち込みましたが、スーパーは高い数値を保っています。
有効求人倍率を簡単に説明すると、1人の就職希望者に対して何社求人があるかということ。
1.5倍なら1人に対して1社または2社ないくらいというイメージです。
スーパーの正社員は安月給というイメージ
給料は高いとは言い難いけど、安いとも言い難い
2020年の職種分類別の平均年収ランキングは、「専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)」が601万円で1位、次いで「企画/管理系」が516万円、「技術系(電気/電子/機械)」が461万円でした。
そして「販売/サービス系」が 329万円と上位の半分ということもあり安月給というイメージがあります。
ただ一概に安いとは言えず、業界の平均年齢や男女比率などに影響されますし、そもそもどの企業かによっても変わるので一概に安いとは言いにくいです。
重労働で精神的苦痛が溜まりやすい職場のイメージ
今どの職場でもストレスチェックをしていると思いますが、その結果を職種別にまとめた表です。
ストレス度合いは確かに高いです。特に男性の方が高い傾向にあります。具体的には次の通りです。
- 業績や売り上げ目標がある
- 労働時間の制約や拘束時間が長い
- 1日中速いペースで仕事をすることを求められている
- 繁閑期や仕事のやり方・ペースなど、自分ではコントロールできない部分が多い
- 上司やパート社員との人間関係がストレスだ
男性の方が人をマネジメントする機会が多いので、なかなか高度な数値管理を求められています。
しかし、休日や年末などの大型連休の繁忙期や職場内の人間関係トラブルなど業績とは別に気を遣う場面がたくさんあるのも事実です。
マルチタスク・即断即決が苦手な人にはしんどいかも…
これは向いていない人には本当にストレスの多い環境と言えるかもしれません。
労働時間が長くサービス残業をしているイメージ
一昔前はサービス残業が多く長時間労働というイメージだったようですが、今はそういった企業は淘汰され、きちんと労務管理が行われています。他職種と比較してあまり残業時間は真ん中あたりで、サービス残業もだいぶ改善されています。
ただし、世間一般の休みと言われる日が休めない部分であまり休んでいないという捉え方をされるかも知れません。
年末年始やお盆の親族の集まりに行かなくて良いし、そのうえ混雑とは無縁の旅行が魅力的。
アスナニさん的に平日休みはサイコー!
ぶっちゃけ実際に働いてみて、おすすめできる職種だと思う?
ここまで悪いイメージをご紹介してきましたが、こういった職種のネガティブな面は他の職種にもたくさんあります。
できれば興味のある仕事の良い面と悪い面を知った上で自分に合うかどうか?で選んで欲しいと思います。
とはいえ、個人的にはやってよかったと思っている
人事として他職種を観察して感じますが、スーパーの正社員のネガティブな面とその人の個性が上手くマッチすればとてもおすすめできる職種だと思っています。
ここからは実際の僕の働き方がどんなものだったか、他職種と比較してどんな人におすすめできるのか逆にどんな人にはおすすめできないかをご紹介していきます。
新卒入社で6年間スーパーの正社員をしていた僕の働き方
地方の上場企業に入社して、非生鮮食品(牛乳やチーズ、お菓子、調味料やお酒など)の担当をしていました。良い点悪い点ではなく、僕にあっていた部分と合わなかった部分をまとめます。
<あっていた部分>
僕がスーパーの正社員に対してポジティブな印象を持っているのは、当時働いていた会社の待遇が良かったことが要因です。
今の仕事にも役立つポータブルスキルを学んだのは当時の会社での教育と体験でした。
ロジカルに考える教育を若いうちから受けさせてもらったり、そのやり方をアウトプットし賞賛してもらえる場が多い印象でした。
自己重要感を育ててもらえたな〜
目に見える大きな成功だけじゃなくて、その裏でたくさん失敗や試行錯誤を重ねてきたことに気づいてくれた上に、その努力を褒めてもらえたのが今でも心の支えになってる!
また、業績や売り上げ目標があることや、早いスピードを求められたことで、小さなチャレンジを素早くたくさん積み重ねることができたのも自分の中で大きな財産になっています。
- 業績や売り上げ目標がある → 成果がわかりやすい
- 労働時間の制約や拘束時間が長い → 無駄な残業をしないことを認めてもらえる
- 1日中速いペースで仕事をすることを求められている → たくさんのPDCAサイクルを回すことで多くの思考実験を重ねられた
- 繁閑期や仕事のやり方・ペースなど、自分ではコントロールできない部分が多い → 制約が多い中での工夫をする習慣ができた
同じ年齢・他職種の人よりたくさんの試行錯誤ができる環境だった!
【口コミを紹介】この本が正真正銘の「入社1年目の教科書」です
コンサル業界の新入社員向けの本、という立ち位置ですが、コンサル業に携わる人だけが手に取るのは勿体ない、勿体なすぎです。
この本で書かれている内容は、コンサルをはじめとする、様々な業界でビジネスに携わる人が「ビジネス基礎力」として持ち合わせておく必要のあるスキルばかりです。
<合わなかった部分>
クソみたいなクレーム対応は、未だに思い出しただけでイライラすることもあります。(笑)
20代のうちにそんなことまで対処できなきゃいけないの!?と当時は思いましたが、振り返ってみれば若いうちにいい経験ができて良かったと思います。
ただもうお腹いっぱい(笑)
また、ユニクロでの無人レジやAmazon Goなどの無人店舗、中国のフーマーなどOMO店舗などの最新技術を取り入れの遅れやそういったものの導入に立ち合えないという立場が嫌だったのと、なりたい職種に自分の力ではなれなかったため転職をしました。
自分のキャリアを自分でデザインしたい人にはスーパーは合わないかも知れません。(とはいえ、どの仕事でもその傾向はありますが…)
他職種と比較してどう思う?
新卒を見ていて思いますが、スーパーの魅力は20代のうちにマネジメントの基礎、様々な経験を詰めることだと思います。
とはいえ、事務職や営業職でも年齢を重ねたというだけで管理職になって、マネジメントやリーダーシップが取れないハゲ上司になってしまう可能性は高いです。
特に小さな成功体験を積み重ねてこなかった人は、部下の小さな変化を上手に褒めたり育てることができず若手を潰してしまったりもします。
仕事の花形であるバイヤーやマーケターなどの企画職に配属された新卒でも先輩社員の教育レベルなどによっては不憫な思いをしている人もいます。
おすすめできるところ
おすすめできないところ
おそらく人の目線を気にする人は一生気にする
どんな職業を選んでも人の目線を気にする人は「一生この仕事でいいんだろうか?」と悩み続けると思います。
どうせ気にするなら、悔しさをバネに副業などで別の実績を持つことで自信をつけるのもありだと思います。
さまざまな職業の中で
「あえてスーパーを選んだ理由はこれ!」
と言える自分の軸が持てる人なら、自信を持って働ける上に安定したいい職種だと思います。
まとめ
就職先をスーパーにしようと思っているがネガティブな意見が多くて不安な方向けに「なぜ社会的評価が低いと言われるか」をご紹介しましたが、いかがでしたか?
「主体的に働きたい人にとってはとても良い環境」であることを知れば就職したいと思ってもらえたはずです。
「スーパーってキツくて社会的評価も低いし就職はやめておこうかな…」と感じていた方でも、『これならチャレンジしてみたいかも!』と思ったのではないでしょうか?
皆さんも省エネ干物生活を送りましょう!以上アスナニさんでした!
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